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麻生茂明にはグローブをデザインするにあたって大切にしている行動パターンがあります。シーズン中はもちろんオフシーズンにも頻繁に球場に足を運び、選手のプレーを観察し、呼吸を感じ、意見を聞くことです。時には選手の手と自分の手を比べ、時には彼らが愛用しているグローブを手にとり入念に観察するのです。
そうして、この雑然とした、しかしプレーヤーにとって球場がそうであるように、彼にとってもまさに聖域とも呼べる仕事場に戻り、デザインを描き、自ら革を選び、鞣し、裁断し、麻生氏しか持ち得ない的確なマインドでグローブを完成させるのです。
実際に彼が生み出したグローブのいくつかを見てみましょう。
まず、標準の内野手用グローブよりやや小さく、指を入れる部分を短めにしている“ウイルソン1786”。このグローブは、内野手が繰り返しすくい上げ、握り、投げる動作を観察した結果、敏捷性を高めるアイディアを思い付き開発されました。
邪魔にならず、手の延長のように動き、速さと正確さが増したこのプロ用のグローブは、20年たった今も最も優れたモデルだと選手たちに認められ、愛用され続けています。